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刀ステ 改変 いくさ世の徒花の記憶の感想メモ

科白劇 舞台『刀剣乱舞 /灯』
綺伝いくさ 世の 徒花
改変 いくさ世の徒花の記憶

を見て来ました。(7/28)

刀ステは虚伝再演が最後で、社会人になってからしばらく2.5次元自体からも離れていました。

6月上旬のDMM一挙無料配信でやっぱり刀ステ面白いなとなり、

ついでに慈伝で山姥切長義くんに突き落とされ、

蔵出し映像集含めて円盤を買い集め(給付金はここに消えた)

気が付けば(大変ありがたいことに)科白劇のチケットが手元にありました。

 

コロナ禍でエンタメを浴びる機会が貴重になっている昨今、未来の自分のためにその時のパッションを残しておくために、感想を書き溜めることにしました。(一挙配信でもやっておくべきだった)

考察ではない。考察は円盤が出たらやる…

 

 

会場自体は厳戒態勢という感じ。

手の消毒と検温の他に、靴裏の消毒もやっていて、動線もソーシャルディスタンスが撮れるように配慮されていました。

外のスタッフさんがマスクにフェイスガードをして案内をされていたの、熱中症になりそうだなと心配になりました。

空調は寒いくらいと聞いていたので、一応冬用のひざ掛けを持っていきましたが、普通に足りなかったです。

スカートじゃなくてズボンにしたらよかったなあと思いましたが、せっかく久しぶりのエンタメ浴びなので、買ったままどこにも着ていけてない夏服が着たかった。

換気は大切なので、観客側が調節するしかないかなと思います。今後も。

 

本編の話をします。

まず科白劇だと書いてあったので、演者さんが衣装を着て、少しの仕草をするだけであとは座っているか立っているかで進んでいくのかなと思っていました。

めっちゃ殺陣やるやーん

※見に行くまで本当に公式のラジオすらシャットアウトして一切の情報を入れずに居ました

いつもの刀ステと比べると、時間遡行軍が映像登場で、役者の間が空いていて、一度に出てくる人数が少ないなといった感じ。

カーテンコールを除けば、板の上に居るのは最大で六名だったと思う。

(おそらく)殺陣に迫力を出すために投入されたのが講談師(講男士?)さん。

まさかの刀装枠。

講談師さん良かったです。特に終盤、刀剣男士の剣戟に「上段下段中段突き突き突き突き!!!」といった感じで合わせていた場面、内心で拍手喝采でした。

X伝でもやってくれないかな…。

あとは殺陣では敵側の武器が大きく作られていて、それをブンブンと振り回している様がまた迫力ありました。少人数の縦じゃないとできないなと思います。意匠も凝ったものだったので、めっちゃ映えていた。

 

ストーリーはある本丸が軍議の中で、他本丸の慶長熊本の特命調査の記録を読み進めていく、という体で進んでいく。

で、この記録を読んでいる本丸と、記録を読み進めている本丸のどっちが刀ステ本丸なんだろうというのが最後まで気になりました。

最後のこちらに語り掛けてくる歌仙さんを軸にするなら、記録を読んでいる本丸=刀ステ本丸かなと思う。

が、記録の中の本丸の面々が、刀ステ本丸で起こっていた過去の出来事について会話をするシーンがあるのでわからなくなった。

読み進めつつ、ところどころ記録を読んでいる本丸の立場で会話をしている?

でも報告書を読んでいる本丸が別本丸で、そこの歌仙と主の会話ととらえるなら報告書内はステ本丸でOK。

メタ的に(いつもの歌仙さんではないという意味で)うーんとはなるんだけど、観客の本丸の刀たちがステ本丸の報告書を読んでいて、最後の歌仙さんは我々の本丸の歌仙兼定であったとかは納得できるかな…

 

舞台は細川ガラシャが死なずに熊本でキリシタンの国を作っている世界線

細川ガラシャと彼女をこの国から脱出させたい地蔵くんと、二人を追う刀剣男士勢とキリシタン大名勢がやんややんやしていた。そこに細川忠興(オルタ)が加わってる。

刀剣男士側は、亀甲くんと青江くんが絡むとこんなにおもしろいのか…!というのがまず。

性格的に近いところがある二人だけど、もうセリフのやり取りだけで面白くて、序盤大変笑わせてもらった。

そしてそこに挟まれる長義くん。たしかに、歌仙くんや獅子王くん、篭手切くんははねっかえりはしなさそうだなあ。どこかのシーンの「やめろ」にああ、本丸に馴染んでるなあ…とほっこりした。

 

長義くんは一挙配信で一番ぶっ刺さったキャラクターで、正直今回のチケットも彼が登場するからというのも理由なんだけど(大きな理由は普通に刀ステの最新作がすごくすごくみたい)、観てから三日経つけど未だに思い出して頭抱えるくらいには改めて刺さった。

椅子の座り方が、落ちてから2ヶ月弱だけど私の頭の中の長義くん、その座り方するんですよ…っていう座り方で。

↑のツイートの二、三枚目の座り方でアンティーク調の椅子に座っている姿を想像してください。

良き。

劇中では椅子ごと正面向いたり右向いたり左向いたりするから、このすんごい座り方を三方向から眺めたおせた。すごい。

見てる間はなんとなく気品すら感じるけど、冷静に後から考えたらめっちゃガラ悪い座り方だよね。頬をはたくシーンもだけど、若干のインテリヤクザみというか、えーと、好き……という感じです。

あとこのシーンの言い回しが南泉くん的に言えば「化け物を切ったから心まで化け物になった」があてはまるなと思った。

特に調停(ある意味で懇願)を申し込まれたあたりの「自分はものだから人の心はわからない」的な返しをするところ。ここ以外でも「ものだから(心がないから)」というのをかなり口にしていた印象がある。

代わりに「歴史改変を阻止するのは本能」という言い回しをしていたのもよい。

経験によって形作られる心の反対は、先天的に持っている本能である。わかる。

山姥切の号に執着するのは本能で、存在意義で、だからこそ写しが山姥切と呼ばれる経験に基づく事実を理解できないということ?とも考えていた

ガラシャ様と地蔵くんのやりとりでは、「弟のよう」「姉さまと呼んで」のくだりとかで、地蔵くんの「心」についてアプローチしていたので、こことの対比もあったのかな。

別軸で考えると、

・「山姥切」の号に相当な執着がある

・南泉曰く「化け物を切ったから心まで化け物になった」

を踏まえると、「山姥切」だから、「心がわからない」ということになるのでは…

山姥切は自分だと主張するためのファクターの一部なのではとかはちょっと思った

あと終盤の黒田官兵衛と相対した際に、「かつて君によく似た刀に(別世界線の自分が)会ったことがある」「山姥切国広は素晴らしい刀だった」と彼の初めての「山姥切」が山姥切国広と言われた後の、「俺が山姥切だ」と叫ぶシーンもよかった。お仕事用の顔からめちゃめちゃに感情的になってるの最高だった。

黒田さんを官兵衛と呼んで名前を訂正されて「これから斬るからどちらでもいい」というの、お前…ってなった

 

ところで黒田官兵衛は黒幕になりえるのでしょうか。わたし、気になります

黒田官兵衛の「刀剣男士は勝つまで現れる」「それは不平等ではないか」という言葉は、まあそのまま「時間遡行軍も勝つまで現れる」ともいえる。

かつ、ああいう風に定められた歴史の中の人間として運命に逆らったとしても、刀剣男士も時間遡行軍も一つ上の次元にいるというむなしさが「今は」ある。

記憶の共有は刀剣男子的に言えば同じ時間軸の別の世界戦に出陣している他本丸の同位体との記憶の共有にあたるのだろうか。

第一部の一人で円環を繰り返していた三日月宗近に立場は似ていて、三日月は明確に円環を繰り返していく中で時間遡行軍側に察知されて狙われることになった。

今後時間遡行軍が黒田官兵衛という存在に目を付けると、彼の次元は一つ上になるのだろうか。

 

で、この辺りに何か気づいて居そうだった山姥切長義。

三日月の円環の世界が放棄された世界で、それと同じ放棄された世界を調べていた山姥切長義。目的が三日月の奪還なのか、それとも別の刀の奪還なのか。全然別のところなのか、政府配属という魔法ワードなのか、ただの興味本位なのか。

というか、あの山姥切長義はどこの本丸の長義くんなんだろう。

おそらく「報告書」から落とした部分がある気がする。長義くんになにかしらの夢はみています。

 

そもそも、「正史」とは誰が定めたのか。

篭手切江くんの「歌」と歌仙さんの「歌」の違いのような、取り違えや認識の差異があるような気がしている。

 

と、色々考えていたのですが、結局、見終わって最初に情緒がかっさらわれたのは歌仙さんでした。

今までは戦いの合間のふとした瞬間に風流さを求める、みたいな人物像だったんだけど、今回は戦いの合間でも風流さ雅さは絶対に忘れないみたいな印象に変わった。

メインなので色々と見どころ一杯だったんだけど、細川忠興細川ガラシャの過去を語るときの歌仙さんがやさしくて優しくて、色々言っているけど元の主と元の主が愛した人が紡いでいた時間が好きだったんだなって伝わってきた。

特に細川ガラシャが赤ん坊に歌を聞かせているシーンで、(マイクには拾われていなかったから恐らく口パク)で一緒に歌っていた姿が美しいなと思った。

そうしてガラシャの鬼として彼女を切って、「雅じゃないね」と言い放った、着物で血をぬぐう行為をする一連の動作がエモのエモ

私の語彙がない。雅じゃない。

ガラシャは歌仙兼定を鬼と呼んで、忠興が手討ちにした36人と同じように殺されることを選んだけど、それでも、ガラシャが歴史改変をして放棄された世界を作ってまで願った「忠興に殺されたい」という想いは結局叶えられていない。

ガラシャさん忠興の話をするときだけまるで少女のような、好きな人の話をするような声で話すの本当に無理でした。情緒が。好き。

歌仙さんがどう考えていたかは今回は「報告書」なので描かれていないけれど、忠興が歌仙兼定で斬った後にその血をガラシャの着物でぬぐった一連の動作をすることで、ガラシャの想いへの答えにしたのかなと。

それは彼なりのあの場面での風流というか、忠興とガラシャへのリスペクトであり弔いだったのかなと。

忠興がガラシャを愛した証が自分だから。

そんなことを考えていて、最後のこちら側(主)に「どうやら2020年が大変そうだから、調べてこいと言ったのはきみじゃないか」と語り掛けてきた歌仙さんでもう情緒がめちゃくちゃになった。歌仙さんや他に調査に行く刀剣男子たちが2020年のどこかに来て、見守っていてくれるのだろうか…

エンタメの強いところだと思ったし、作中で「雅じゃない」と一度は評していた行為を、(恐らく)弔いのためにできてしまう歌仙さんだからこそものすごく寄り添われているなという気持ちになった。

 

綺伝とても楽しみしていますとてもとても

 

特に獅子王くんは何か抱えているのではないかと。

今回刀剣男士側の考えは全体的に見えないのですが(報告書だから?)、特に獅子王くんは顕著だったのでは。

唯一、食事屋でキリシタン大名の中身を看破してみせた時くらいしか…

ただゲームの印象では明るくて気持ちのいい青年というイメージでいたので、平安刀っぽい、腹ににか抱えている様子にギャップを感じました。

彼は綺伝で掘りさげ期待です。

 

あと恐らく報告書には書かれない部分に維伝の例のアレがいたりしないでしょうか

長義くんあれに会いませんでしたか…

本能に習うのなら(ただし恐らく政府刀しか言及していない気がするので、"時の政府"の設定したものかもしれないけど)、例のあれは本能に逆らっているんだろうなあ

 

あとなんか入れきれなかったとこ箇条書き

・歌仙を気にする脇差ズが脇差感あった

・全体的にバランスが良くてコミュニケーションが良く取れている部隊だと思った。長義くんが「やりやすい」と評するのはわかる。(ここ、たぶん今回初めて第三部隊に組み込まれたんだろうなと思うんだけど、まんばちゃんが修行にでて第一部隊が一人開いたから第二部隊第三部隊も巻き込んで一時的な配置換えがあるのだろうか)(じゃあ本当にあの会話はどこの本丸視点なんだ)

キリシタン大名勢開花後は十字軍の服がベースなのかな、聖戦と言っていたし(うっすらとした世界史知識による感想)

・刀ステはやはり刀ステだった(しんどさもおもしろさも)

 ・若干夏バテ気味で食欲不振でしたが観劇後は食欲も戻り体調がすこぶる良いです